キングダム1巻 あらすじ

2020-03-25

キングダム1巻のあらすじ。
ネタバレ注意。

第1話 無名の少年

物語は紀元前245年、中華西方の国『秦』で始まる。
この物語の主人公、信(しん)は戦争孤児で、里典(りてん)と呼ばれる村の長の下僕として、同じく戦争孤児の漂(ひょう)と暮らしていた。2人には『天下最強の大将軍』になるという夢があり、日々2人で体を鍛えている。

いつものように木剣で仕合い(試合)をしていると、見るからに位の高そうな出で立ちの士族が2人に寄ってくる。
この士族は漂を見つめ「わが秦(くに)の暗雲を切り裂く出会いになるやも」となにやら思案していた。

畑仕事を終え里典の家の戻ると先程の士族が漂の帰りを待っていた。この士族は昌文君(しょうぶんくん)といい王宮に侍る大臣であった。
昌文君は漂を仕官させるためにやって来たのだった。
漂は信も一緒にと申し出るが「連れて行くのは一人。漂だけだ」と受け入れられない。

漂が仕官して1ヶ月。
信は王室では大王と王弟、成蟜(せいきょう)との間で内紛が起きており、昨夜死体の山運び出されていたという噂を耳にする。
そして、最初に王弟側から狙われるのは大王の側近、昌文君一党であることも。

その夜納屋で1人、漂の身を案じている信。
何かの気配を感じ外に出ると、そこには漂が血だらけで倒れていた。
動揺する信。
騒ぎに駆け付けた里典に医者を呼ぶよう頼むが、死期を悟っている漂はこれを断る。

漂は信に地図を手渡し、地図の場所「黒碑村」に行くよう託し絶命してしまう。

第2話 地図

漂の死に取り乱す信。
「皆殺しだ」
と我を忘れ暴れまくっている。

「漂の死を無駄にするな!漂の死を無駄にしないために、お前はここに行かなきゃいけないんだ‼」
里典の息子に裏拳をかまされ地図を差し出された信は、漂の最後の言葉を思い出し、黒碑村に走り出す。

黒碑村とは物取りや人殺しが全土から流れて来る無法者達の村で、普通の人間が行けば、まず生きて帰れぬと言われる恐ろしい場所らしい。

黒碑村に入ると早速、見るからに雑魚キャラ3人が現れるがこれを1コマで一蹴する信。
その後も黒碑村の無法者達が次々に信に襲いかかるが、天下の大将軍を目指し漂と2人、毎日修行に励んでいた信の相手にはならない。

その頃、里典の家に謎の男が現れる。
その男は倒れている漂を見つめ、嬴政と呟き漂の首を切り落とそうとする。

「やめろォオ!!」
と里典の息子。

里典たちが何かを隠していると察した男は、里典の息子の足を刺し、隠している事を話ように里典に迫る。

黒碑村の無法者達を蹴散らした信は、地図にしるされていた川の合流地で今にも壊れそうなほったて小屋を見付ける。
小屋に入るとそこには死んだはずの漂の姿が!!

第3話 身代わり

「漂?」
との問い掛けに
「政(せい)」
と名乗る漂そっくりの少年。

混乱する信だか、そこに里典の家に現れた男が現れる。
その男は暗殺200年の歴史を持つといわれる刺客一族”朱凶”であった。

「命をもらうぞ。秦王、嬴政」
という、朱凶の言葉で、
王に似ていた漂は王の替え玉として王宮に連れて行かれたこと、そして王と間違えられて殺されたことを理解した信。
嬴政に対し怒りをあらわにす。

「王を殺すなら譲ってやるぞ」
という、朱凶の言葉に、
「王は殺すが、その前に漂を殺したお前の腹ワタ引きずり出してやる!!」
と朱凶に切りかかる。

朱凶は信の実力・将来性を認めながらも
「5年早かったな!!」
と信を一蹴。
吹き飛ばされた信は
「漂が負けた相手だ。勝てるわけがない」
と戦意喪失。

その様子を見ていた嬴政が信に語り掛ける。
「何も考えるな。ただ、漂の無念を晴らすことだけ考えろ」と。

「お前が漂の名前を口にするんじゃねぇ!!」
と、漂を失った怒りが再燃し、怒りに任せ朱凶に切りかかる信。
その剣は先程より早く重くなっていた。

朱凶と互角以上に戦う信の姿を見つめながら嬴政は漂が王宮で話していたことを思い出していた。

「信は私(漂)と互角だが、私(漂)が勝てない猛者にも信なら勝てる」
「私(漂)が倒れた時は信におつかまりください。あいつはきっと誰よりも高く翔ぶ!!」
と言って言っていたことを。

その回想とシンクロするように信は高く翔び、信の剣は朱凶の剣をへし折り、肩口からわき腹辺りまで達するのだった。

第4話 反乱軍の手

とどめをさそうとする信に命乞いをする朱凶。

「俺が死んだら子等が孤児になる。そしたら一生奴隷だ」
「どうか命だけは。子供らのために、どうか命だけは」

“孤児”という言葉に反応し信は剣を下ろすが、横から嬴政が朱凶の首を跳ねてしまう。突然の出来事に動揺している信に

「次はどうする。俺を殺すか?」
「もしそうなら、俺も黙ってやられるわけにはいかない。俺を守るために死んで行った人間が少なからずいるからな」
「漂もそのうちの一人だ」とせまる。

信は自分が襲われることを知っていながら漂を身代わりにした嬴政が漂を殺したも同然と考えている。殺してやりたいと思っているが、漂が最後に信に託したのが嬴政のことであることも理解しており、自分はどうすれば良いのかわからなくなっていた。

その時、嬴政が何かに気付き地面に手をあてる。
軍が迫っていたのだ。
それもかなりの数の。

軍は王弟、成蟜(せいきょう)側に付いている丞相(じょうそう)、竭(けつ)氏がはなった新たな追っ手である。

既に黒碑村は軍に包囲されており、嬴政は敗北を悟る。
しかし、信は違った。

「くそっ!!それじゃ、もうひと暴れするか!!」
「川沿いを切り抜ける。しっかりついて来いよ!!」と。

軍と戦う気であること、着いて来いと言われたことに驚く嬴政。

「お前(嬴政)を殺すかどうかはこの包囲を突破してからゆっくり決める。だから俺から離れるんじゃねぇぞ!」
と信は言い、嬴政も承知。
まさに駆け出そうとしたその瞬間、頭上から何かが落ちて来る。

落ちてきたのは黒碑村の無法者たちのパシリだった妙な着ぐるみヤロー。初めて見る着ぐるみヤローに驚く嬴政。

「抜け道を知っている。ついて来い」
と手招きする着ぐるみヤロー。

嬴政が秦の王であることを知り、金のために助けてくれるらしい。
着ぐるみヤローのせいで黒碑村の無法者たちに襲われた信は顔も名前も分からず得体の知れない奴は信用できないと嬴政に言う。

すると、着ぐるみヤローは頭を覆っていた着ぐるみをを外し、河了貂(かりょうてん)と名乗った。
嬴政は河了貂に案内してもらうことを決断する。

第5話 異母弟

容赦なく黒碑村の連中を殺しまくる軍。
信たちが進む地下道に血が滴り落ちてくるほどであった。

地下道を進む中、河了貂が不意に疑問を口にする。

「何で王様こんな所で兵に追われてんの?」
「弟が反乱おこしたのさ。醜い兄弟だぜ!」
とすかさず信。しかし、河了貂が続ける

「いや、でも変じゃね?だってさ、反乱あるの知ってたから替え玉用意して、黒碑村に隠れてたんだろ?デモさ、知ってたんなら未然に叩きつぶしゃいいーでしょ。なんでそんなに逃げ腰満点なのさ、あんた! 王様のくせに!!」

嬴政は黙っていたが、少し進んだところで、
「反乱を未然に防げなかったのは俺にただ力がなかった。それだけのことだ。」
と口を開き、自分が置かれている状況を話出す。

去年、13歳という若さで王位についた自分が執政できるはずもなく、朝廷はもはや私利私欲に燃える大臣達の権勢争いの場でしかないこと。
中でも、嬴政の庇護者である右丞相(うじょうそう)の呂氏を筆頭に、二番手の左丞相(さじょうそう)の竭氏の2名を軸に朝廷は日夜、血で血を洗う抗争が続いていること。
自分の庇護者である呂氏一党が魏に遠征に発ち、自分の護りが手薄なのを機に、密かに玉座を狙っていた弟の成蟜が二番手勢力の竭氏と繋がり、自分は命を狙われいること。
などを話す。

第6話 漂の決意

第5話から引き続き、嬴政の話。

王宮にあって信頼できるのは、自分の教育係でもある文官、昌文君(しょうぶんくん)だけであること。
昌文君が自分の私兵だけでは、竭氏の反乱を鎮められないと算段し、脱出計画を練ったこと。
脱出時、バラバラになった場合の合流地点の1つが黒碑村であったこと。
黒碑村視察の帰り道で昌文君が自分と瓜二つの少年(漂)と出会ったことで、黒碑村は脱出時の緊急合流地点ではなく、漂と入れ替わった自分の隠れ家となったこと。
脱出劇に自信があった昌文君にしてみれば、黒碑村も漂という影も”万が一”であったが、その”万が一”のおかげで自分がまだ生きていること。

信はここまで黙って嬴政の話を聞いていたが、
「万が一の‥…ためだと?」
「万が一のおかげだと?」
「ふざけんじゃねぇ!!」
「お前ら漂の命を何だと思っていやがる!!」
「漂の命をっ‥…」
と何度ま何度も殴りつける。

「漂の敵(カタキ)だっ」
と渾身の一撃を叩きつけようとしたとき、嬴政が反撃。
信の喉元を掴み左手一本で持ち上げる。

「お前、いい加減にしろ」
「戦争をやっているんだ。それもかなり分の悪いな!利用できるものはだましてでも利用するさ。下賤のガキならなおさらだ」
「‥‥だけどあいつは分かっていた」

漂の回想
「田舎村の下僕が1日にして王宮に仕えるなどよほど大変なことが待っていると覚悟して参りましたが、まさかこれほどの”大任”をお受けできるとは夢にも思いませんでした!」
「死ぬかも知れないのだぞ」
「”史に名を残す天下の大将軍” 友と二人、身の程をわきまえぬ大望があります。もとより全てを懸ける覚悟です。」
回想終わり

「漂は危険を承知で引き受けた。死をも厭わぬ覚悟で引き受けたんだ。お前ら下僕が普通に生活していても絶対に手に入らない大きなものを手に入れるためにな!!」
と信を投げ飛ばす。

「だけどあいつは失敗した。それだけだ。」

 

沈黙が辺りを覆う。

 

風が通っていることに気付いた嬴政。出口が近いことを知り再び歩き出し、信に語りかける。

「信・・・漂の弔いはその涙で最後にしておけ。これから先はお前の路(みち)だ。」
「お前は今二つの岐路ある。里に帰って下僕を続けるか。薄弱の王を援け(たす)共に凶刃(きょうじん)の野を行くか」
「”お前ら”のバカげた夢にどちらが近いかは言うに及ばんな」

信も理解していた。自分がなにをするべきなのかを。

第7話 南方から来た刺客

地下道を抜けた3人。
金のために抜け道を案内した河了貂だが嬴政は手持ちがないから、折を見て王宮に取りに来るように言う。
大金を期待していたうえに、黒碑村が全滅してしまい食い扶持がなくなった河了貂は怒り、泣き出すが、嬴政は構わず歩き出す。

そんな嬴政に信が話かける。
「おい、政。王宮に帰るっつってもどうやって帰るだよ。向こうは軍隊持ってて、こっちはお前と俺の2人だけだ」
信は嬴政と共に行動する覚悟を決めていた。
(信はこの頃から嬴政のことを政と呼ぶようになる)

「漂のことを忘れるわけじゃない。王であるお前にひざまずくわけでもない。俺と漂の”路”のためにお前を利用するだけだ」
「ふっ。今さら謙られても気持ち悪い。それに俺もお前を臣なんて思いはしない。難を避けるためのただの剣だ。折れたら捨てていくぞ。」

政たちは王宮に帰るべく、昌文君との最後の合流地に歩き出す。

一方、複雑に入り込む抜け道の攻略に手こずっていた追っ手の指揮官は、南超から連れて来たムタを呼ぶように部下に伝える。
ムタは鼻が利くようだ。

場面変わり森を疾走する、政、信、河了貂の3人。
合流地なら少しは金の蓄えがあると思い河了貂も同行していた。

そんな中、疲労困憊の様子の信は小休止後、倒れてしまう。
一晩のうちに友を失い、敵を討ち、休まず走り続け、疲労の限界に達したようだ。
信はしばらく動けそうもない。

「難を避けるためのただの剣、折れたら捨てていく」と言っていた政だが信を背負い、昌文君との合流地を目指し夜通し夜の森を走る。
しかし、王宮にはその昌文君をたっぷり苦しめて殺したと、王騎将軍が竭氏の前に現れていた。

第8話 秦の怪鳥

昌文君の領地を得ることを条件に参戦した王騎将軍は、竭氏たちは最初からしくじると踏んで場外で網を張っていたようだ。

竭軍の参謀、肆氏(しし)は、秦の怪鳥と呼ばれる男が昌文君の領地程度で参戦してきたことに違和感を覚え、
「将軍は得体の知れぬお人です。あまり信用しすぎると大ケガいたしますぞ」
と竭氏に助言。しかし竭氏は
「他人のことより自分の首を心配した方がよいのではないか?」と聞く耳を持たない。

場面変わり、森の中で目覚めた信。
目の前には木にもたれ寝ている政の姿が。

状況が呑み込めない信。
河了貂が信が気を失ってから一昼夜、政が背負ってここまで走ってきたことを信に説明する。

2人のやり取りに気づいたのか目を覚ます政。顔色が悪く足元もふらついている政を見て、
「次は俺の番だ。俺の背で道だけ教えろ。あっという間に目的地に連れて行ってやる!」
と申し出るが
「男がそんな無様な真似できるか」
と皮肉たっぷりに断られ、合流地に向け再び3人で走りだす。

日が暮れ夜になり、朝になっても合流地には着かない。
信と河了貂が道に迷ったのではと疑いはじめるが、成は無言で走りながら何かを探している様子。

そして、遂に目印の様なモノを発見。洞穴のような所を進んだ先で合流地を発見するのだった。